テレシネ変換の方法と原理

テレシネとはフィルムで撮影した映像をビデオにうつしかえることです。しかし、フィルムとビデオでは規格が異なるため、ビデオ同士をダビングするように簡単にはいきません。一番大きな規格の違いは以下の2点です。
  • 画面の縦横比(縦と横の長さの比)の違い
  • 一秒あたりのコマ数の違い

 縦横比の違いというのは、テレビで放送される映画では画面の上下が黒くなっているのをイメージしてもらえば分かりやすいかと思います。幸い8mmとテレビ画面はが縦横比がほぼ同じですので、これに関しては問題ありません。

 一方、「コマ数の違い」は厄介な問題を引き起こします。8mmは1秒間に18コマもしくは24コマで、テレビ(NTSC)は1秒間に30コマなのですが、普通に映写機で映写したものをビデオカメラで撮影すると、このコマ数の違いのためにチカチカした画像になってしまいます。
 このチカチカのことをフリッカーといいます。それではどのようにしてフリッカーを防ぐかということですが、その前に、テレビの1コマは2つのフィールドから出来ているということを知っておく必要があります。
 
 テレビはブラウン管の上の蛍光物質を走査線が順番に走査していって映像を映し出すわけですが、この時の走査の仕方が飛び越し走査となっていて、まず一行おきに走査し、その後でその間を走査していくようになっています。この前半に走査する画像が1フィールド目で、後半に走査する画像が2フィールド目だというわけです。
 このことを利用して、フィルム(毎秒24コマ)の2コマをテレビの5フィールドに置き換えることによってフリッカーを防ぐようになっています。
 フィルムの1コマ目をテレビの2フィールドに変換し、2コマ目をテレビの3フィールドに変換するというわけです。

 しかしながら、これにはテレシネ専用の映写機が必要となってきますので、テレシネ変換をおこなってくれる業者に頼むしかありません。
 そこで、いわゆる簡易テレシネについて考えてみます。簡易テレシネとは映写機で映写した映像をそのままビデオカメラで撮影するという方法です。


簡易テレシネの原理はいたって単純で、映写機で映写した映像をそのままビデオカメラで撮影することにより、テレシネ変換をおこなうというものです。

 まず、スクリーンもしくは白い画用紙を用意し、そこに映写機で映像を映写します。
 あまり大きく映写する必要もないので、ピントが合う範囲でなるべく近くから、縦が20cmぐらいの大きさになるように映写します。近ければ近いほど明るく映ります。

 次に、映写機のレンズとスクリーンを結んだ線上にビデオカメラをセットします。
 もちろん映写機の光をさえぎっては行けないので、少しだけ上下あるいは左右にずらします。ビデオカメラの構図・ピント・明るさを合わせます。
 このとき注意しなければならないのは、ビデオカメラのオートフォーカス及び、「明るさ」の自動調節機能を解除し、撮影中にピントがボケたり明るさが変化しないようにするということです。
 とくに、映写している映像に明るさの変化があると、それに合わせてビデオカメラがそれを抑えようとして、結果的にオリジナルの映像とは異なる明るさで記録してしまうからです。

 ビデオに録画する前に、一度全編をテレビモニター上で映り具合を確認しておくとより良い仕上がりが期待できます。好みの映像に合わせて明るさやカラーバランスを調節してみてください。
 また、必ずしも部屋を暗くして作業する必要はありませんので、部屋の明るさや照明の色を変えてみるのも面白いかもしれません。
 さらには、スクリーンや白い画用紙だけでなく、木材や“すりガラス"など様々な素材に映写すると、面白い質感が出せるかもしれません。

フリッカーを取り除く

しかしながら上記の方法でテレシネ変換すると最も問題になるのがフリッカーが出るということです。
 これを解決するには、映写速度を連続的に調節できる映写機を使用して、20コマ/秒ぐらいのスピードで映写してみてください。こうすることによりフリッカーはなくなりますが、当然被写体の動きが不自然になります。
 しかし、プロ用の高級なカメラには、フリッカーを除去するクリアスキャン機能がついているものがあります。そういったカメラを使用すれば、簡易テレシネでも満足の行く画質が得られます。


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